旧暦6/2の大潮ということで恒例の干潟観察を行った。
その前に今日の午前中は、アサイト始国の会(仮称)の初回ミーティングがあって、久しぶりにミーシャン、葉月さん、山下さん、豊原さん、また初めてのメンバーさん達とかなり盛り上がり、その後よしむらカフェで昼食をということになって行ってみると、またこれ久しぶりの吉村さんの奥さんに会い、たまたま食事に来てた久保豆腐ご夫妻に会うという超ローカルな展開。
その後イオンで買い物をして帰ったらもう4:00ということで、あわてて晩ご飯に麻婆豆腐を作って干潟観察を行った。
いつになく慌てるには訳があって、今日は干潟観察ではなくてアマモの種蒔きがメイン。
アマモは雌雄同体の種子植物で、通常、全部ではないがいくつかの株に花が咲き種を作り、7月の初めくらいまでには花穂の根元部分が腐り流れアマモとなって海に漂流する。
また葉っぱも次第に夏場の高温で枯れるが、竹のような地下茎が残り春先には再び発芽する。
ここ4年定点観察を続けた結果、奥の深い港湾の入り口にあるこの干潟は極めて閉鎖的な環境にあり、潮通しが悪く、夏場にはかなり高温となる為、おそらく海水温25度前後を境にアマモが地下茎ごと枯死してしまう一年生の環境であることが解った。
この干潟に存在するアマモは、地下茎を持つ流れアマモが夏場を過ぎて漂着したものが定床するか、種を持った流れアマモが6月以降いずれかのタイミングで漂着し干潟に定床したものの二つのケースが考えられる。
初回は何も分からなかったので、他のアマモ場から地下茎ごと採取して定植するという乱暴な方法を取ったが、上記の理由から持続可能な方法では無いと分かったので、二年目は春先に流れ着いた地下茎のある流れアマモに限って定植を試みた。
流れアマモに依存した非常に不安定な状況がある程度把握出来た昨年は、5月から6月に流れ着いたアマモの種子だけを2回に分けて試験的に定植してみた。
個体数推移を見ていただければ分かるように、昨年までは年々個体数が微増している。
http://www10.ocn.ne.jp/~veeten//slo/amamo/kansatu.htm
上述したようにアマモは全ての株が開花する訳ではなく、またどういう関係なのかは分からないが、この干潟に点在するアマモは開花率が悪く5%未満の確率なのである。
この微増分に出穂した5%が影響しているとは、自然定着のみに依存している不安定な状況からすると考えにくいし、また流れアマモの漂着も年によってかなりの変動があるので、今までの観察結果だけでは結論は出せない。
特に今年は、昨夏の記録的な異常高水温、春先の異常低水温と、今までとはかなり違う条件だったので、わずか数年のデーターでは比較検証もほとんど意味を為さないという状況となってしまった。
「竿はお触り」、「竿を触りながら」あいや、さはさりながら、昨年の種を植えた位置と、今年の分布を見てみると、定植位置から陸側に分布域が広がったような形跡が見て取れる。
股じゃなくて、また、昨年の高温障害にも関わらず、干潟のアマモ個体数はほぼ昨年並となったので、種の定植はそれなりの効果があったのではなかろうか?
漂着あるいは定植した種は、意外と陸側に打ち寄せられる波によって高確率で定着するのではなかろうか?
という勝手な推測を立てて、今年は種の定植と定着の相関関係の比較検証を試みることにした。
具体的には
1 昨年の3倍の流れアマモ種子を採集定植する。
2 定着度合いを確認するために、比較的定着率の良い地下水の流れこむ一帯にラインで定植する。
3 定植する深さの判断材料として、10cm、15cm、20cmの三段階の深さに分けて定植する。(陸側に打ち寄せられたとすれば、定植時の深さが原因なのか?)
という方針を既に春先の段階でイメージしていたのである。
ということで、ここのところせっせと種を採取キープしていたのだが、なにしろこの暑さで匂いだしてきたので、一刻も早く定植する必要があったのである。
今日の干潟、潮位は春先ほど低くない
アバウトながら三つのライン