2012年干潟観察 Ⅲ | ストーン磐座

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今日もあまり潮が引いてなかったが、今季はこれが最低潮位の予定なので、アマモ田植え(移植)試験を行うことにした。
比較検証の為に植える下地を2つの極端な場所に選んだ。
Bラインより移植した25本をノリ加工場から流れてきたヘドロが溜まった下地(D地点)に、Aラインより移植した30本を少し沖合のきれいな砂地(E地点)に植えた。
予定では沖合のE地点くらいまで潮が引いて、田植え感覚で移植出来るはずだったのだが、何故か今年は潮が引かないので、海中に両手を突っ込んで植えこんでいった。
とりあえず今年の試験はここまでにして、後は定点観察をしながら個体数をカウントして推移を見る。
以前にも書いたが、結果が出ないうちに欲張ってあれこれいっぺんに試験すると、因果関係が混乱して正確なデーターが得られなくなってしまうのだ。
今季の試験でじっくり観察して得た確実なデーターを元に、来季の予定を立てることが結果として早道となる。
新たに発見した自然定着のアマモを入れると個体数は今の段階で1000本を超えてしまった。
昨年の同時期が80~90本だったのに比べると一挙に10倍になっている、これからアマモは梅雨の雨で流れこんでくる養分を吸収して3倍ほどに増えるはずなので、梅雨明け頃には3000本ほどのアマモ場が出現するということになる。
http://www10.ocn.ne.jp/~veeten//slo/amamo/kansatu.htm (個体数推移参照)
話は変わるが、ここ数年二枚貝の天敵であるツメタ貝を大量に駆除した。
http://ameblo.jp/veeten/entry-10102988346.html
初年度の2008年には手のひらほどの舌を出した巨大ツメタ貝が干潟を席巻していたのだが、毎年コツコツと生体や卵の砂茶碗を駆除した結果巨大ツメタ貝は姿を消し、小さい個体が散見される程度になった。
ツメタ貝の個体数減少に反比例して二枚貝が干潟に出現してきた、特に増えたのはキヌタアゲマキ、その他オオノガイ、ハボウキ貝、タイラギ貝、レッドデーターのムラサキガイなどである。
ところが皮肉なことにこれがアマモを脅かす原因となってしまった。
干潟で遊ぶ地元の子供達には説明してあるのでアマモには触れないが、噂を聞きつけた大人達が干潟を掘り返すようになったのだ。
貝だけが目当ての彼らにアマモの重要性などわかろうはずもなく、ついに昨日アマモが無残にも掘り返されてしまった。
見かけた場合はアマモは掘らないでねとお願いするのだが、付きっきりで監視するわけにもいかず、今の時期土器川の河口に行けば大勢の潮干狩り客が一心不乱にアマモ場を掘り返している。
公共の場である干潟であくまでも趣味で行なっているので、悲しい現状として受け入れるしかないが、その日のうちに埋め戻せばある程度定着するので、最悪のケースは免れることができた。
帰り際干潟観察のご褒美にタイラギ貝を二枚GETして、今晩の酒の肴にすることにした。


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ヘドロ状のところへ25本移植

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沖合のきれいな砂地に30本

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掘り返されたアマモ

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タイラギ貝

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左はオオノガイ、右はムラサキガイ、ムラサキガイは後で調べたところレッドデーターマターだった(反省)