2014年干潟観察日記 Ⅱ | ストーン磐座

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今年の干潟は潮が引かない、潮が引かない時の干潟観察は楽しみも半減、アマモの観察条件も悪い。
そうは言いながら定点観察は続けることに意味があるので、わずかばかりの干潟を観察してみる。
今年はタマキシゴカイのうんちがやたら目につくが、いかんせん色が無い。
例年ならウミウシとかタコとかカラフルなイソギンチャクが目を楽しませてくれるのに、、、。
コアマモの群生はしっかり根を張って全体的に盛り上がっている、これがアマモ場独特の理想的な土壌なんだけど何故かアマモは根を張ってくれないこの干潟。
わずかに生えたアマモには毎年律儀に姫イカが卵塊を生みつけにきてくれる、この一点だけでも干潟の生態系に寄与しているわけで嬉しくなる。
干潟だけではあっという間に見終わる、昨年から種植えを主軸に置いたこともあって、自然発生の固体はあまり眼中に無かったが、今日は多少時間があったので自然発生の固体を北側の水没してるあたりをローラー作戦で観察することにした。
日没近くで光が弱く多少波にもまれて濁りがあり透明度も悪い、しかし目が慣れてくると濁りの中でもアマモくらいはかすかに識別出きるようになった。
昨年の定植実験で全体に発芽率が低かったこと、アマモガーゼ巻きの放置プレーパターンの結果が悪かったことで、今年度の方針をどうしたもんかと迷っていた。
ところが意外や意外、ローラー作戦を展開したところ、北側エリアに多数のアマモが生えていたのである。
透明度が悪く水面に葉が揺れてるアマモしかカウントは出来ないが、およそ120本ほどがC,Dブロック の陸寄りのエリアに集中して自生していた。(PDFは全体表示でご覧下さいへんな枠線が出ます)
思わぬ発見で今までブルーだった干潟観察はハッピーモードにチェンジ。
昨年の播種結果がまんざらでもない可能性が出てきたのである。
まず干潟全体の航空写真 をご覧いただきたい。
干潟は赤丸で囲ったエリアで潮はほぼ南北に流れている。
干潟の北側エリアは丁度大石の鼻から回り込んだ位置にあって潮流の影響を受けにくいポイントである。
今までの観察結果からすると、波打ち効果で種は比較的陸側に打ち寄せられる傾向にある。
今回大量に自生していた固体は、過去の観察結果からすると異常に多いので、幾分かは打ち寄せられた流れアマモもあるが、昨年の放置アマモ巻きの種が打ち寄せられ自生した可能性が高くなってきたのである。
一回目の観察では昨年放置プレーしたアマモ巻きの発芽が確認できなかったのだが、今回A7にわずか3本だが発芽が確認できた。
以上の結果からなんとなくだが、今年度の播種に一筋の光明が見えてきた。
まだちょっと整理は出来ていないが、6月の播種時期までに方針をまとめたいと思う。




今年も律儀に産み付けられた姫イカの卵塊、これを見るだけで嬉しくなる。



タマキシゴカイのうんち山が目立つ、ていうか干上がっているのはこのあたりだけなので寂しい。



一面うんち山。



コアマモの群生、しっかりと根を張っているのでこんもりと盛り上がってきた。



透明度が悪く識別しにくい。



他に生えてないのかとローラー作戦を展開していたら、生えてるじゃないか!



なんとそこら中にボコボコ生えてるじゃないか!やっと一筋の光明を見た思いだ、今日は良い酒飲めそうだな。